2015年11月2日月曜日

2015弦楽器フェア

こんにちは、近藤@グレン島です。最近は楽器ブローカーとして活動しています。

この度2015弦楽器フェアに行ってきました。
結論から言うと今年のヴィオラは不作でした。正直、不満です。
中途半端な楽器が多い一方で、良い楽器を作っているのはいつものメンバー。凄い楽器に出会う興奮を求めてはるばる東京に行きましたが、まあこんな時もありますよね。
あ、ヴァイオリンは一切弾いていません。もしかしたらそっちは豊作だったのかも。


松上一平さん製作

 2012年にトリエンナーレでサッコーニ賞を獲得し話題になった松上一平さんの作品。最近はヴィオラばかり製作されているということで今後に注目しています。音は良くも悪くもまとまってバランスの良い感じ。一回めちゃくちゃ尖った楽器を作ってほしいです。


後藤陽一さん製作

 (私の)地元愛知県で製作されている後藤陽一さんの作品。ニスに光沢が無く渋い見た目。パワーも十分。人間の脳は見た目の印象に弱ので弾いていても渋い音と感じてしまいます。
同じ寸法でツヤ有りの楽器と比較してみたいです。


宮地楽器小金井店ブース

 並んだ4つのヴィオラはどれも完成度が高く、私は特に西村翔太郎さん製作の42cmが気に入りました。単にこのサイズのヴィオラの音が好きなだけかもしれませんが・・・。
4つの楽器は音色に共有した部分を持っており、技術の共有が音に表れていると思いました。


Santo Spirito Neo Viol

 収穫その壱。IL VIOLINO MAGICOブースで発見したガンバシェイプのヴィオラ。アッパーバウツがカッタウェイされておりハイポジでの操作がしやすくなっています。ラフ2の冒頭もヴィブラートがバリバリ掛かります。操作性だけでなくパワーと音色を兼ね揃えています。(周りに比べて)かなりお手頃な価格ですが、本当に良く鳴ります。この楽器で周りのマスターメイドを殆ど駆逐できます。見た目による注目度もバッチリでおすすめです。
 完全な憶測ですが、Iizuka Hiroshiモデルのようにカッタウェイすることによって音に深みが出る場合があるのかもしれません。


Stefano Conia (Sr.) さん製作

 収穫その弐。巨匠ステファノ・コニア(父親)の実力を見せつけられました。楽器における全てのパラメータがカンスト寸前という感じの楽器です(ポケモンでいうとアルセウスみたいな)。彼の思い描く楽器が完全に再現されているのでしょうね。なんだか悔しかったです。
 余談ですが、製作者本人の目の前で試奏してとても緊張しました(●●●万円ということもありますが)。「この楽器も弾いてみてよ」って感じで別の楽器も渡されましたが、そっちはあまり大したことなかった記憶。


リューテリア・アライ 荒井節男さん製作

 収穫その参。ヴィオラ製作では無双の荒井さん。私は2013弦楽器フェアで登場したアンドレア・ガルネリモデル(写真左上)が気になっており、今回試奏することが出来ました。チェロネックですがスクロールが細く、バランス良く仕上がっています。想像していたより柔らかな音で、引き出そうとすれば応えてくれるような底知れぬ魅力を持った楽器です。
 新作ではネック断面の形を変え、操作性を高める工夫がなされていました。左下の楽器について久我ヴァイオリン工房の久我さんが熱く語って下さいました。私もニスの違いについて語れるようになりたいですが、これはさすがに製作者にしか分かりませんね。


じゃ、みんな練習頑張ってね

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